この記事は ギフティ Advent Calendar 2019 25日目のエントリーです。
その1の続きです。
応用事業への対応
2013年に配送を含める形でリニューアルを行ない、翌2014年には大手のチェーン店が商品ラインナップに加わる事になります。(会社的にはその為に相当なコストを掛けてたりしますが、ここではgiftee.coの話なのでそれは置いておきます)
これにより、確かに使われっぷりは今までとは一次元違うボリューム感になりはしました。ただやはり根本的に新しい文化・行動である事もあり、商品の拡充やプロダクト改善だけでなく、「eギフトを贈る/受け取る」ということ経験するという人の絶対数を増やす必要性が出てきます。またシンプルに会社としての事業の幅を増やす意味でも、増えだした商品を活かした応用事業の芽が出てきます。
結果として(現時点で)応用事業の内最も成功したのは「giftee for Business」という法人向けのまとめ売りになる訳ですが、他にも例えば金融機関さんや商店街向けに特別な機能を提供するであるとか、外部の会員基盤に対してのみ提供する特別な機能であるとか、純粋に「個人間でギフトを贈る」では無いファンクションが多数求められました。
足元の会社業績と将来の可能性を踏まえると、最小工数でこれらに広く対応していく必要がありました。ただ、当然こういった対応を見越して最初から作り込めていた訳では無く、またフェーズ的にもエンジニアリングリソースを潤沢にここに割り当てられなかった事もあり、「既存の仕組みを最大限活かしつつこれらの取り組みに対応する」という選択が重ねられます。
それ以外にもシーズナルのプロモーションへの対応などもあり、コードベース、そしてテーブル設計が疲弊していきます。要は技術的負債ってやつです。
法人販売の開花
上記の通り、結果として数年後大きく芽が出たのはgiftee for Businessでした。
ただシステム的に見ると、giftee.coのシステムがいわば巨大なモノリス状態、つまり「個人間のギフト送信」以外の機能(およびその残骸)が多数存在する状況となっており、その負債が法人向け事業の足を実際に引っ張るケースが増えてきました。
そういった状況を受け、アーキテクチャの変更が数年前から検討されます。明確に必要だったのは法人向け販売の切り出しで、会社として今年は社内のかなりのリソースをそこに費やしました。鎌倉合宿とかもそのプロジェクトへの対応でした。
個人向け事業の切り出し
さて、giftee for Businessが切り出されて全て問題が解消するかというと、そういう状況ではありませんでした。移行期間の問題でgiftee for Businessの影響がすぐに無くなる訳ではないことや、上記したそれ以外の取り組みが引き続き存在するからです。要は、個人向けサービスとして作り出した仕組みに、色んなものが盛大に混じっている状態だった訳です。
そのため、このごった煮状態の仕組みから、個人向け事業を切り出し、再構築するという判断を今年しました。
わかり易さのためこの取組は「リニューアル」という形で呼ばれていますが、実際の所は負債解消のための漸進的な取り組みであると考えています。
創業から9年を経て外部環境は大きく変わり、SNSの変化に振り回される事は減り、商品ラインナップもギフトサービスとして充分魅力的なレベルに達しました。また何より、法人販売を経由する形でデジタルギフトに触れていただく事で、デジタルギフト自体の認知・想起の問題が大幅に改善してきていると感じています。
個人向け事業の切り出しはかなり大きい話で、正直苦戦しながら進めている状況です。ただ、ようやく勝負・投資できる環境が整ってきたと感じているので、この取組を通じてちゃんと勝負しにいけるプロダクトを築いていきたい、そう考えています。
終わりに
頑張って文章にまとめてみましたが、分量などの問題で書ききれなかった背景とかは正直色々あるので、気になる点とかあれば遠慮なく聞いて下さい。(社内外問わず)