
こんにちは、エンジニアの toki (@tokai235) です。法人向け eGift サービス giftee for Business の開発をしています。普段はバックエンドやインフラのお仕事が多いですが、フロントエンドも好きです。2025/10/25(土) に開催された Vue Fes Japan 2025 に参加してきたんですが、今年もすごく良かったのでレポートを書いています。
Keynote
毎年恒例の Evan You さんの Keynote ですが、今回も引き続き Void(0) プロジェクトを進めており、JavaScript プラグインのパフォーマンス改善に取り組んでいることが話されました。またつい先日発表された JavaScript 向け統合ツールチェインである Vite+ についてもあらためて紹介がありました。
Vite+ についての詳細は Evan You さんが出している Announcing Vite+ の記事を読んでもらうとよいと思いますが、ざっくりいうとこれは Vite の拡張版であり、Void(0) ツール群である Vitest, Rolldown, Oxc などを1つに統合したツールです。JavaScript のツールやフレームワークは、非常に進歩が速く日々多くの新しいツールが出てきています。これは技術の進歩を大きく助ける一方で、依存性の解決やアップデート、移行などがどんどん難しくなっていき、時間を使わざるを得なくなってきました。Vite+ は統合したパッケージを提供することで、この状況を解決しようとしています。個人的にもこの課題は無視できないほど大きくなってきていると感じていて、Vite+ にはとても期待しています。
パネルディスカッション
目玉のパネルディスカッション「フロントエンドの未来を語る── React/Vue.js/Svelte が見据える次の 10 年」では、現在よく使われている Web フレームワーク / ライブラリの開発者が一堂に会し、この先をどう考えているのかについて話されました。やはりというか、生成 AI の話題が非常に多かったです。ディスカッションの内容をかいつまんでご紹介しておくと、以下のようなお話でした。
- Q: 生成 AI を使って開発している?
- 一部の開発では Claude Code を使っているが、コア部分ではかなり限定的
- 自分でコードを書くことに愛着がある
- 低レイヤのコードでは AI で解決できないことが多い
- Vibe Coding という概念はとても好きだが、何をしているかちゃんとコントロールできないといいアプリケーションはできない
- Q: フレームワークの設計がAIによって変わる?
- Doc が非常に重要になるので、整備している
- 特にメジャーアップデートのような大きな変更があったときに、AI が新しいバージョンでの情報をちゃんと取ってこられるようにしないといけない
- Q: フロントエンドのスキルはどう変化すると思う?
- 変化は避けられないし、過去の自分たちと同じ学び方はできないと思う
- 何を学ぶかではなく「学ぶ」というスキルを身につけることが重要
パネリストの皆さんの中でも AI に対してのポジティブ具合に差があり、むしろそれによっていいディスカッションになっていたのではないかなと思います。ただパネリスト全員が共通して持っている認識として、「いいアプリケーションを作るためには、人間がアプリケーションについて深い知識があり、AI をコントロールできる事が必要」ということがあるのではないかと感じました。
面白かったセッション
今年も多くのセッションがあり、どれも良かったのですが、個人的にイチオシのものをご紹介できればと思います。「Vue.jsでつくる実験映像」 というセッションで、橋本 麦さん(_baku89)によるトークです。
この橋本さん、職業が映像作家とのことなのですが、ご自身の映像制作で使うためのツールを自作されていて、これが Vue.js を利用しているそうです。
具体的にはコマ撮り映像を制作するための Web アプリケーション Koma や、クリエイティブ制作に特化した UI ライブラリ Tweeq など、多くのツールを制作され、またこれらは OSS として公開されています(すごすぎ)。特に Tweeq のインタラクションはめちゃくちゃ感動しまして、「触っていて楽しい」ってまさにこういうことだなと新鮮な気持ちになりました。Tweeq のインタラクションはデモページから体験できるので、興味がある方はぜひ触ってみてください。

また個人的にすごく素敵だなと思ったのが、Vue.js やそのコミュニティに対してとてもリスペクトにあふれていて、聞いているこちらもとても心が暖かくなるようないいセッションでした。
できた作品もすごすぎ
これらのツールを使ってできた作品をセッション中にいくつか見せていただきました。橋本さんのポートフォリオサイトには他にも色々な作品が紹介されてるので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。時間を忘れます。

まとめ
この記事では Vue Fes Japan 2025 を紹介させてもらいましたが、今年もコンテンツ盛り沢山で最高でした。また来年もお会いしましょう!
ギフティではフロントエンドエンジニアもそうじゃないエンジニアも大募集しています。興味がある方はぜひカジュアル面談などでお話しましょう!