giftee Tech Blog

ギフティの開発を支えるメンバーの技術やデザイン、プロダクトマネジメントの情報を発信しています。

海外開発拠点設立、やってみません?

image_name

こんにちは、ギフティ CTO の柳瀬です。

弊社は一昨年ベトナム・ホーチミン市に開発拠点「giftee Tech Vietnam(以下gTV)」を設立し、現在20名規模に成長しています。(参考)

こうした状況もあり、先日、CTO協会主催のイベントに登壇させていただく機会をいただきました。本記事では、このイベントで僕からお話しした内容も踏まえ、今後の開発組織のグローバル化を検討されてらっしゃる方向けに個人的な考えをお伝えできればと思っています。

日本のIT人材不足とグローバル組織化の必要性

まず、日本のIT人材不足という構造的な課題について触れたいと思います。日本の少子化とIT人材の不足は、経済産業省のレポートにおいても明確に指摘されています。一方で、海外に目を転じると、豊富なIT人材を供給できる国が多数存在しています。

この構造的な人材ギャップを前に、「日本だけ」に閉じた開発組織で戦うのは、長期的な競争力確保の観点で大きなリスクといえるのではないか、と年々強く感じています。

また今回のCTO協会のイベントでは、一昔前であれば「オフショア開発=コスト削減」という切り口で語られがちであったのに対し、皆さんが「優秀なエンジニアとの出会い/開発力の拡張」を主目的にグローバル化を進めている、という共通認識が印象的でした。弊社も同様に、コスト目的よりもスケーラビリティ・優秀な人材確保の観点でグローバル化を推進しています。

実際、弊社のgTVにおいても日本と比較した際の採用のしやすさは実感を持って感じています。ポジションにもよりますが、少なくとも日本で採用する場合に比べ1/3程度のリードタイムで採用・戦力化に至っている感覚があります。

AIがもたらす開発組織の変化

AI技術の急速な進展により、従来型のオフショアや分業の概念自体をより変化させる必要があると感じています。これまでは「きちんと仕様化・文書化しないとオフショアへ渡せない」という事が多かったかと思います。ただ、もしそのレベルのドキュメントが整っているのなら、今後はAIに業務を委ねることも十分現実的です。

そもそも、国内であっても、AIの台頭によりコードを書く業務の比率が減り続けることが予想されます。そのため、どの国であろうとエンジニアがより上流工程やPdM領域に踏み込む、いわば、「シフトレフト」的な動きが必要になると考えています。

こうした変化を踏まえると、海外開発拠点としてもシフトレフトする必要があると考えています。究極的には、物理的に居る場所が違うだけで、一つのエンジニアリングチームとして動ける状態を目指していくべきだと考えています。

gTVにおいてもValueの一つに「One giftee」という、グループ全体で一体となって事に当たる姿勢を掲げています。ベトナム人社員に入社頂いた際にもこうしたことを丁寧に伝え、地理的な違いはあれどギフティグループとして一つであること、だからこそエンジニアとしての責任範囲を広げていく姿勢を重視することをお伝えしています。冒頭ご紹介した記事でも、弊社の技術組織で志向している「ギークスーツ」が体現されている様子をご紹介させて頂いています。

生成AIによる言語のバリアの低下

生成AIツールの普及によって、言語の壁は急速に低くなりつつあります。こうした技術進化により、グローバルなチーム編成への心理的ハードルも年々下がっていると感じます。

gTVにおいても、日本本社とのコラボレーションにおいて、AI翻訳等により言語障壁で致命的に困った経験はほとんどありません。最近では、日本発の社内gemにベトナム拠点のメンバーがプルリクを送るなど、距離や言語を越えた協働が着実に根付いてきています。今後、生成AIのさらなる進化とともに、グローバルな相互協力のハードルは一層下がると感じています。

立ち上げのハードル

一方で、こうした環境を踏まえて拠点立ち上げを志向したとしても、実際に立ち上げに向けた動きを開始する際に一定のハードルがあることは理解できます。弊社もベトナム開発拠点の立ち上げに際して当初色々と不安がありました。そのため、いきなり開発拠点を立ち上げるのではなく、まずベトナムにある日系の開発会社さんに一部開発を委託するところからスタートしています。これによりベトナムにいらっしゃるエンジニアの皆さんのお力や、国境を跨いで開発していくことのイメージを解像度高く理解することができ、その後開発拠点の立ち上げに繋げる事ができたと感じています。ですので、開発組織のグローバル化のとっかかりを模索されてらっしゃる場合、こうした取組から開始するのがいいのではないかと個人的には感じています。

今回のこの記事が、開発組織のグローバル化を検討されてらっしゃる方の一助となれば幸いです。