
こんにちは、エンジニアの toki (@tokai235) です。法人向け eGift サービス giftee for Business の開発をしています。普段はバックエンドやインフラのお仕事が多いですが、フロントエンドが好きです(?)。
2025/07/11, 2025/07/12 に開催された、SRE NEXT 2025@TOC 有明 に参加してきました。ギフティは今回 Party Sponsor をさせてもらっていて、懇親会ではクラフトビールを配るおじさんをやっていました。めちゃくちゃ楽しかったです。
どれを取ってもすごくいいカンファレンスだったんですが、中でもすごくエモい話があったので、その話をしようと思います。
どんなカンファレンスだった?
2日間でたくさんのセッションを聞いて、どれも素晴らしかったです。自分は RubyKaigi や VueFes Japan などのカンファレンスは何度か参加していますが、今回初めて SRE NEXT に参加して、ちょっと雰囲気が違うなあと感じました。言語化してみると、AWS や Google Cloud などの共通のプラットフォームは使いながらも各社さんそれぞれかなり独自のインフラを構築していて、「自分たちでやる」という気持ちが伝わるようなものが多かったなあと思います。
もちろんフロントエンドやバックエンドも日々試行錯誤して向き合っていらっしゃると思う(し自分もそうな)んですが、ビジネスロジックに近い部分を公開しようとすると気を遣うとか、インフラは図でパッと出せてわかりやすいだとか、そういった要因もあるのかないのか、そういう傾向があるように感じました。
全体としてそういう雰囲気を感じていた中で、特に印象に残ったエモいやつが2つありまして、ご紹介させていただくと、
- さくらインターネット 長野さん(@kazeburo)のクラウド開発の舞台裏とSRE文化の醸成
- ヨドバシリテイルデザイン 戸田さんのすみずみまで暖かく照らすあなたの太陽でありたい
です。
何がエモいの?
これらのセッションのどこが良かったの?という話をすると、長期的に考えたときに本当に必要だと思ったものに対して、それが大変困難な道であったとしてもやろうとする覚悟、みたいなところにとても感動しました。
まずさくらインターネットさんですが、条件付きではあるもののデジタル庁よりガバメントクラウドとして認定され、国産クラウドの開発という国家規模の事業を手掛けておられます。ヨドバシグループさんは、家電量販店ヨドバシカメラを運営する会社さんですが、オリジナルなプライベートクラウドをすべて内製で作る、ということを実現されています。
いずれもクラウドプラットフォームを自前で作る、という非常に大きな開発をされている2社ですが、一方でヨドバシリテイルデザインの戸田さんがセッションでおっしゃられていたように、「なぜ自分で作るんだ」「AWS や Google Cloud を使えばいいじゃないか」という考えもあると思います。
能力を有するということ
既存のプラットフォームやフレームワークを使うことを否定するつもりは全然ありません。スタートアップのようなスピードが命の企業において、プラットフォームやフレームワークの存在はなくてはならないものになっています。事実、ギフティも創業当初から AWS や Ruby on Rails といったプラットフォーム、フレームワークには大いに助けられてビジネスをどんどん広げてきましたし、それは社員が増え、会社規模が大きくなりつつある現在も変わりません。
一方で、ビジネスや会社が大きくなり、社会的な影響が大きくなってくると、その基幹となるインフラが海外の少数の営利企業に依存しているという状態は、リスクがあると言っていいのではないでしょうか?
また合わせて「能力を有する」ということも非常に重要です。
かつては多くのエンジニアの方がサーバラックを組んでネットワークを構築して...といったことをやっていたと思うんですが、クラウドが主流となった現代では、その能力を有するエンジニアの数はかなり減ってしまったんじゃないかと思います。いざ自分たちで作ろうとしてもできない、という状態です。
結果として、日本では行政などの公共のサービスに関しても AWS などの外国産プラットフォームに頼っている現状があります。
そういった中、さくらインターネットさんやヨドバシグループさんが車輪の再発明を厭わず自分たちで作る能力を持つという意思決定は非常に困難ではありつつ価値のあることだと思っていますし、短期的なスピードや利益でなく本当に遠い未来まで良いものを残そうと決意して大きなお仕事をされているということは、本当にすごいことだと思っています。
専門家はいない。俺たちしかいないんだ
能力を有するのが大事なのはわかったけど、でも自分でやるよりも誰か専門家がやったほうがいいんじゃない?という話があるかもしれません。これは半分はそうだと思っていて、ギフティでも Rails Committer の松田さん(@a_matsuda)に技術顧問に入っていただいたりして、よりクオリティの高いプロダクト開発をしようと日々努めています。
一方で技術などの要素要素では専門家の方々が存在するかもしれませんが、今この瞬間にその問題に本気で取り組んでいるのは、あなたやあなたのチームだけではないでしょうか?
この章のタイトルである「専門家はいない。俺たちしかいないんだ」は自分がいつもブログを読ませてもらっている konifar さんが言っていた言葉なんですが、この「うまくいくかはわからない、でも自分たちがやっていくんだ」という決意は個人的にとても大事にしていることで、先ほど紹介した長野さん、戸田さんのセッションから非常に感じたことでもあります。
まとめ
この記事では SRE NEXT 2025 で自分が非常にエモいと感じたセッションについてご紹介しつつ、自分たちがやっていくということについて持論をつらつらと書いてみました。
ギフティも「世の中のあらゆるものをギフトにする」という大きな目標に向かって、自分たちがやっていくという決意を持っていろいろなことを進めています。ビジネス面ではギフトの可能性や地域を広げるため、paintory や YOUGotaGift などとグループ提携して仲間を増やしていますし、技術面ではあらゆるものをギフトとして取り扱うためのギフトプラットフォームを開発中です。
これらの取り組みはすぐに結果が出るようなものではありませんが、ギフティが最終的にたどり着きたい世界を目指すためにはなくてはならないものです。
ギフティでは自分たちがやるんだ!という方を大募集しています。興味がある方はぜひカジュアル面談などでお話しましょう!